あっとほーむストーリー


あっとほーむができたきっかけや、どんなことをしてきたのか、これからどんなことをするのかを、代表・小栗ショウコに聞いてみました。

あっとほーむ20年のあゆみ

事業をを始めたきっかけは何ですか?

約10年働いていた会社を退職し、私があのまま会社員だったら、こういうところほしいなと思ったことがきっかけです。

親も親戚も友達もいない土地で結婚、出産後も働き続けるためには、それまでやってきたシフト勤務の仕事では保育園や小学校では足りないと思ったんですね。ベビーシッターさんにお願いするのは、普通に働いている私には敷居が高いし、留守宅に入られるのも、子どもと1対1の保育であるということにも抵抗がありました。どうすれば仕事も子育てもできるんだろうって考えたんです。もちろん、頑張れば夫婦二人で協力して家事と子育てをすることもできるでしょうが、もし実家が近くにあったら、時々おじいちゃんおばあちゃんに頼りたいし、そのほうが夫婦二人で頑張っているよりも気持ちに余裕ができることは容易に想像できました。でも、実家は近くにない。だったら自分でそういうところを作ればいいと思ったんです。

 

働くママたちが大変なのは、毎日仕事を切り上げて保育園の閉園時間までにお迎えに行くことと、その後子どもが寝つくまでの時間です。

産休育休後復帰して直面するのは、それまでと同じように働けないこと、それに対する自分自身と周りの評価が変わっていくことでしょう。もちろんかわいい子どもに早く会いたい。だけど、子どもがいるから頼りにできないと思われるのは辛いのです。それを解消するには、毎日は時短を活用し早く帰っても、いざというとき頼りになる存在であればいい。そのためには、本当にいざというとき「今日は子どもを見てくれる人がいるから大丈夫」と言えるかどうかです。子どもが安心して楽しく過ごせる場を、保育園や小学校以外に確保することが、働くママも子どもにとっても大切なんですよね。それに、保育園に迎えに行ってから子どもが天使の寝顔になるまでの数時間はほんとうに大変でしょう。本当は、子どもの顔をちゃんとみて、今日の出来事やそこから何を感じてどう思ったのか、明日はどんなことをするのかって、ちゃんとゆとりをもって聞いてあげたい。でも、健康に気遣った食事を作ったり、大量の洗濯をして、明日保育園に持っていくものを用意して、掃除をして・・・ということをしていたら、ゆとりをもって子どもと向き合う時間はどんどん減っていきます。

あっとほーむ外観

 

だからあっとほーむは保育園のお迎えとその後の保育を担おうと思ったんです。

私たちが保育園にお迎えに行き、手作りの夕食を食べ、きょうだいのような関係のお友達と一緒にすごし、お風呂も入っていけば、あとはおうちに帰ってゆっくりママとお話しするだけです。ママもその時間でお仕事したり、たまにはゆっくり自分の時間を取ることで、気持ちに余裕ができて笑顔で子どもと向き合うことができるでしょう。

最初の1年は賃貸の3DKマンションの一部屋で保育を開始しました。その時来ていたのは1日1人~3人程度でしたが、子どもたちが騒いでも走ってもいい一軒家に引っ越したいと思うようになり、何十件も不動産屋を巡り、やっと保育をしてもいいという一軒屋を探して借りることができました。それが今の場所です。あっとほーむという名前は、英語直訳の「家で」保育するという意味でつけました。

これまでの活動について教えてください

事業を始めた時から1年で120人くらいの登録があり、それから毎年常に80名くらいの登録者がいます。全員が毎日利用するわけではないので、1日あたり15人までとしました。それが仲間意識やきょうだいのような感覚を持てる人数だと感じたからです。ただここに預けられているのではなく、あっとほーむで出会った子たちが強い絆で結ばれてほしいなと思ったからその人数に設定しています。

1年目に1人の男の子のピアノレッスンに付き添っていたんですが、もしかしてあっとほーむでピアノレッスンができれば、他にもやりたい子がいるかもしれないと思い、先生を募集してレッスンをするようになりました。今でも15~20人程度がレッスンを受けていて、毎年発表会も開催しています。

当初は保育園児ばかりだったけど、その子たちが大きくなり、放課後もあっとほーむに来たいという声があり学童保育も始めました。タイミングよく横浜市がNPOでも学童やってもいいよという年だったこともあり、学童保育は横浜市承認学童保育として補助金をいただきながらやっています。

学童保育を始めてからは、夏休みにはキャンプや合宿、プールやお出かけなど盛りだくさんの日々を過ごすようになりました。働くママたちは、自分が家にいたらいろんなところに連れて行ってあげたい、いろんなことを体験させてあげたいと思うでしょう。だから私たちがお手伝いしようと思ったんです。アメリカ2009

 

国内に限らず、2008年、2009年にはアメリカにホームステイに連れて行きました。子どもたちは1年目は日帰りのサマーキャンプ、2年目は日本ではこのスケールはあり得ないでしょうと思える山の中のサマーキャンプに入り、キャンプ以外にも現地の子どもたちに習字を教えたりけん玉を教えたりする時間を持ちました。当時小学校3年生4年生だった子どもたちが3週間近く親元から離れて異国の地で生活する体験は、一緒にいた私から見てもめざましい成長ぶりでした。

 

これからの展望を聞かせてください

あっとほーむを始めてから10年目に「次は何をするの?」と多くの人に聞かれました。10年はそういう節目の年でもあるんですね。そのころ、「うちの近くにもあっとほーむがあればいいのに」とか「私もあっとほーむみたいなところをやりたい」と言う人が増えていて、相談に乗っているだけでは解決できないと思い、マンツーマンで起業支援を始めました。その後、専門家や行政も入ってくれてどんな風にそういう人たちの希望を叶えていこうか考えた結果、それまでやってきたマンツーマンの起業支援をリニューアル、あっとほーむのような施設を「おうち保育園®」とし、育成普及事業とすることになりました。
女性にとっては資格だけがあっても事業にするのは難しいし、素晴らしい専門家がいるような起業セミナーに参加してゼロから教えてもらうのもハードルが高すぎて難しい。だから、資格や経験のない女性でも、できることから事業を始められるようにしたいと思いました。私自身、バリバリの起業マインドがあったわけでもないし、保育士資格は持っていましたが人に秀でるものは何もない普通の人間です。そんな私があっとほーむを立ち上げてここまで継続してきた中で培ったスキルとノウハウを、同じように資格も経験もないけれど「働く女性をサポートしたい」「子どもたちが安らげる場所を作りたい」と思っている人に伝えていきたい。

子育て支援コース2期最終日

その人の地域でおうち保育園®を立ち上げて、その地域の働く女性と子どもたちが助かればこんなに良いことはないと思っています。

全国から学びに来る人が増え、起業までの学びの場をあっとほーむカレッジ(子育て支援起業講座)、卒業生のつながりをおうち保育園Ⓡ協会としました。

すでにおうち保育園®を開業した人も多く、今後も「あっとほーむみたいなところが私の地域にもあったらいいのに」と言う人と「私もあっとほーむのようなところをやりたい」と言う人の願いをこういう形で叶えていきたいと思います。

※子育て支援起業講座の様子

 

 

さて、一方子どもたちに対しては、思春期になっても大人になっても頼れる場でありたいと思っています。子どもたちには、パパママおじいちゃんおばあちゃん、親戚の人だけでなく、地域の人がいつも身近で自分を見てくれている、自分を大切に思ってくれる人がたくさんいるんだと思ってほしい。それがきっと自分を大切にしたり自信を持つことになるからです。小学校高学年になると塾が忙しいし、中学生になったら部活に忙しい、高校生になったら大学受験や恋に夢中になるでしょう。でも、人生につまずいた時や落ち込んだ時に、いつでも頼ってほしいと思っています。自分にはいつでも頼れる場があるんだと思えるだけでも大きな励みになるだろうし、実際に頼れる場でありたいと思っています。あっとほーむに来ていた子どもたちと働くママたちが、「あっとほーむがあってよかった」と心から思ってくれること、それが私の目標です。

 

 認定NPO法人あっとほーむ 代表・小栗ショウコ

 

※「おうち保育園」は、私ども認定NPO法人あっとほーむの登録商標です。